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ベンチャー企業プレゼン:イーメックス株式会社
瀬和 信吾 様イーメックス株式会社 代表取締役)

高分子アクチュエーター、センサー、キャパシタの研究開発型企業です(従業員16名の全員が研究開発にたずさわっています)。NEDOの5年間の研究開発プロジェクト(高分子アクチュエーター開発)終了後、 アクチュエーターの開発を続けたくて、2001年8月に、研究者8名で産業技術総合研究所内に会社を設立しました。イオン伝導アクチュエータと導電性高分子アクチュエータの2つの素材技術を有しており、この分野の基礎研究および応用開発では圧倒的な競争優位性を持っています。

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プラスチックを使った小型で高性能な製品を開発

プラスチックを使ったアクチュエーターを中心に、センサー、キャパシタの研究開発、製造、販売を行っています。

アクチュエーターは、小さく軽くできることに特徴があるため、携帯電話のカメラのレンズ駆動デバイスに注力して製品化を志向しているほか、応用製品としては、工業用のマニピュレーター、玩具、カテーテル・ガイドワイヤー・内視鏡などの医療手術デバイスを開発、販売しています。さらに、今後の高齢化社会で需要が高まると考えられる、介護機器・補助筋肉・リハビリ器具などの人口筋肉、ロボットの指・腕の動力源となる高分子アクチュエーターを開発しています。理論的には体積あたりの出力が5倍あるので、時速6キロで走るホンダのアシモの電動モーターが持つ限界を超えたいと考えています。

キャパシタについては、電気自動車で使えないかということで、開発を進めています。電気をどうやって貯めるかという問題がありますが、各社で開発しているリチウムイオンバッテリーはコストが高いため、キャパシタで代替することを目標としています。

セラミックスの圧力センサーは、圧力がかかった時起電力がゼロになるのに対して、私どもの製品は、起電力を維持することができます。

イオン伝導アクチュエーターと導電性高分子アクチュエーター

高分子アクチュエーターとは、2V程度の電圧を加えることで、イオンを含むプラスチックが大きく伸び縮みする駆動デバイスです。

基本的な特徴として、イオン伝導アクチュエータは、イオン交換樹脂の膜の両側に、金を化学めっきしていまして、電圧をかけると、空気中、水中で毎秒5mmの速さでスピーディに動きます。耐久性は3000万回。1ヘルツで365日ずっと動くため、工業的には十分な耐久性をもっています。

導電性高分子アクチュエーターは、ノーベル賞を受賞した白川先生が25年前に発見され、それから25年後に、私どもが新たな導電性高分子の機能を発見しました。樹脂自体の伸縮率は25年前は3%でしたが、現在、最大40%伸び縮みする手法を作り上げました。人間の筋肉の伸縮は25%で、実際使う時は15%でスピードは毎秒10%なので、工業的にも問題はありません。一番の特徴は発生力で、普通の人の指のサイズで50kgから100kg持ち上げたり、押したりできます。通常のソレノイド、モーターと比べて数倍性能がよいといえます。

共通していえることは、自分の筋肉と同じような動きができるということです。イオンを動かしているため、初期速度はモーターのようにいきなり動くこともなく、より生体に近い動きになります。   

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広範な応用分野

手術デバイスとしては、カテーテル、ガイドワイヤー、内視鏡の処置具の首振りができます。これによって、手術が困難な血管内手術が非常に楽になります。

携帯電話オートフォーカスおいては、高分子アクチュエータデバイスの活用により、世界最小のAFカメラモジュールの開発に成功しました。現在の携帯のカメラは12ミリ角ですが、イーメックスの製品は7ミリ。これは3年先の技術です。12ミリ角のものは、ステッピングモーター、ボイスコイルモーターを使っていますが、モーターのスペース、ギアがあって、カムがあるので非常に大きく、12ミリ以下はなかなかできません。今は9.5ミリの開発のしのぎを削っている段階です。

燃料電池への応用としては、超小型ポンプの開発をしています。燃料電池は、一部小型の燃料電池がマスコミに出ていますが、エネルギーの変換効率を考えると、ポンプを使ってアルコール、エアーを送る方が何倍も効率がいいのです。これから燃料電池メーカーと一緒に開発していきたいと考えています。

携帯電話のオートフォーカスに加えて、今年8月始めにマスコミ発表したのは、手ブレ補正です。現在はデジタル補正を使っていますが、あれはCMOSセンサーの画素数を使いきれていません。デジタル補正ではなく、光学補正をすると、きれいな画素数の写真ができます。市場のニーズとしては一番身近です。

玩具への応用については、私どものものは無音なので、モーターギアの音がするものに比べて、かなり適しています。

高感度センサについては、人口筋肉とセンサ機能が一つの材料で発揮できる素子を世界ではじめて開発しました。柔軟な樹脂でできており、高感度、かつアクチュエーター機能を持っていますので、人間の指と同じような機能を発揮します。楽器の入力で違いがでます。

Q&A

Q)携帯電話カメラ駆動デバイスとして応用する場合、電力の使用量は?携帯でカメラを使うと電池がほとんど食われてしまうが、この場合は?
A)5分の1のエネルギーで同じ動きを出すことができる。モーターのエネルギー変換効率はすごくよくて、80%くらいあるが、モーターを使うと必ずギアが入って、カムが入る。そこで20〜30%ずつエネルギーがロスする。そういう意味で、イーメックスの材料は、ギア、カムを必要とせず、ストレートに動くので、結果的に通常のモーターの5分の1のエネルギーですむ。すなわち、携帯の電池の持ちが非常にいいということになる。

Q)メカニカルな知識・ノウハウも必要だと思うが、一方で、材料を知っていないとできないテクノロジーだと思うが、瀬和社長のご経歴は?
A)ポリマー、化学出身。若い時からずっとポリマーをやっている。化学の世界は、ポリマーをやると色々なことがわかる。ダウ・コーニング時代には、シリコン樹脂の合成、それからメディカル事業部で事業部ごと売却されて、カネカの一事業部として10年メディカルをずっとやってきた。そこで、大学の医学部の教授と仲良くなって話を聞いたり、色々経験できた。メディカルの中で新しいデバイスは何かということを考える中で、アクチュエーターとの出会いがあった。材料をやりたいということと、メディカル事業部でのカテーテルの開発ということで、高分子アクチュエーターをやり始めた。まだ10年前なので性能は未知のモノだった。そこで国のプロジェクトを立ち上げようと、産総研の人と一緒になって5年のプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトが5年、イーメックスが設立されて5年。私がアクチュエーターに関わるようになって10年。プロジェクトが終わって元の会社に戻るより、アクチュエーターを継続してやりたかった。そこで、大西と会社を辞めて設立。その時、国も応援するという話しになり、産総研の中に3年、2年前に大阪の江坂に移転した。

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TSUNAMIアントレプレナーズ倶楽部は、二ヶ月に一回の割合で、アントレプレナーのための勉強会とアントレプレナーあるいはその支援企業のプレゼンテーション、懇親会という形で、倶楽部とメンバーの発展を目指して活動しています。活動状況は、このウェブサイトで、随時報告しております。TSUNAMIアントレプレナーズ倶楽部の今後の展開をお見逃しなく。





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