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→勉強会:寺島実郎氏 「企業の社会的責任(CSR)」
→懇親会

 

 

 

大見忠弘氏 「日本の国際競争力強化」

新しい技術理論

半導体生産は当時、最初は歩留まり20%くらいなものが成熟して80%くらいになってくるというような程度の技術であった。それを最初から歩留まり100%で作れますよと提唱したのが私で、1987年にインテルが採用、寸分違わずやりきって、そのデータを世界のセットメーカーに公開して今の地位を築いた。それまでは、できるかできないかわからない半導体は、基本2社購買だったが、インテルが1社供給体制を敷いて今の繁栄をもたらした。

日本の現状と将来

日本経済の停滞の主な原因は、エレクトロニクス・情報通信産業の停滞によるものである。大手家電メーカの純利益額上位10社を合計しても、サムソン電子一社の純利益の半分にもならない。設備投資額でもその差は明らかである。一方、日本の財政事情の悪化は深刻で、700兆円を超える長期債務残高に対して、科学技術基本計画に基づき96年より15年間で65兆円を越える研究開発費を科学技術分野に出してもらうことになるが、その使命・役割は、増税措置なしで国の歳入を増やし、CO2の排出量を削減するような、学問に裏づけされた本物の強い産業技術を創り出すことだ。

ターゲットドリブン・モデル

40歳を前に、事業化されない論文はただの紙切れだ、世の中のために自分は何一つ役に立っていないと気付き、ターゲットドリブン型の研究に変えた。これまでは、大学や研究所で何か面白い成果が出てくると、応用・実用化研究をやって実用化してきたもので、リニアモデルと言われている。今は、5〜10年先の社会ニーズに対する最適な答えを最短時間で出すために、ビジネスターゲットを明確にして、事業化も、世界中への販売網ネットワーク化も、実現のために必要な人材育成、流動化まで、同時並行で行うのがターゲットドリブン型の仕事の仕方。

欧米がこのような形で新産業創りをし始めたころ、80年代に、日本は基礎研究ただ乗り、エコノミックアニマルだ、と海外から言われて、産業政策が全くなくなってしまった。多くの研究機関が基礎研究にシフトして偉くなったような気になり、あれだけ事業化がうまかった日本人が、その才能を全く失くしてしまった。

学問に裏付けられた本物の産業技術

産業技術は20世紀の間にとてもレベルが高くなり、経験と勘に基づく産業技術では対応できなくなってきて、学問に基づいた産業技術しか通用しない時代になった。こうした時代には、それぞれの産業分野で最も強い技術を持った企業の1社独占状態が進む。日本は横並び型で負け戦になるのを痛感している。大見研究室でやっている半導体と大型ディスプレイは日本の産業基盤を強くして世界に勝てるような新産業技術を創っている。

半導体分野では、微細化に伴うリーク電流増大がどうにもならないというところまできている。半導体産業の停滞は、それが使用される全産業の停滞を招くという責任の重い基幹産業になっている。半導体表面に絶縁膜を形成するのに大学が教室で学生に教えている学問、酸素ラジカルやNHラジカルをそのまま生産現場で使えるように、また、キセノンやクリプトンなど高価なガスも100%回収循環して使用するところまで指導する、ターゲットドリブンな研究開発をしてきた。この装置を作れるのは、現在、東京エレクトロンという会社だが、いろいろな部品、素材、処理の組み合わせなので、大手、中堅、ベンチャー含めた19社連合になっている。技術はイコールパートナーシップの水平統合、今までにない技術を使うのでベンチャーの出番が多く、販売は垂直統合の形で東京エレクトロンを通じてやる。結果、リーク電流は従来と比べて1000分の1から10万分の1に減少し、現在の半導体技術の行き詰まりを突破することができた、これが学問に基づいた本物の技術である。


 

 

産学官連携戦略

大型ディスプレイは、景気循環の激しい半導体のために、常時大量の販売が見込める産業ということで考えたもので、目にやさしい、疲れない、消費電力が徹底的に小さいということが要求される。同時に、生産に必要な電力消費量も10分の1くらいにして、電気代の高い日本のハンディキャップを乗り越える。

この分野は大きな産業規模が見込めるので、一切外に結果をださない。平和ぼけ日本、お人好し日本ではどうにもならない。情報の管理が必要。次の問題は数十兆円産業になるものに日本企業が大規模投資ができないという点、サムソンの1/5ではどうしようもない。

将来の半導体技術に必須ということで、文科省、経済産業省から大型予算をいただいてスーパークリーンルームを創って、本物の産業技術を創出してきた。現在の東北大学の未来情報産業研究館は民間の寄付100億円で創ったもの。私達が開発したすべての技術を結集しているので、スピードと成果物が全く違う。このように産学官の連携を長い期間かけてやってきた。

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日本のエレクトロニクス産業の将来に対する大見先生の熱い想いと目標、それに沿ったこれまでの積極的な活動をご説明いただき、勉強会後の質疑応答もかなり突っ込んだ内容となりました。

 

 

 

 

→勉強会:寺島実郎氏 「企業の社会的責任(CSR)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→懇親会